PIC AVR 工作室->TopPage->VHDL->ByteBlasterMV互換ボード

ByteBlaster MV互換ボード(PCBE)

はじめに

数多有るAlteraのCPLD/FPGAボードに合成した回路を書き込むには、やはりダウンロードケーブルが必要になります。

AlteraもXILINXもダウンロードケーブルの回路図を公開してくれているので、それをそのまま適当に組み立てれば使えるのですが、 以前万能基板でXILINXのダウンロードケーブルを作ったとき、配線がスパゲティーみたいだったりして、 使い勝手がアレだったので、Altera用のダウンロードケーブルはちゃんとプリント基板使って作ろうと思ってました。

というわけで、今回Altera用のダウンロードケーブルをPCBEを使って作ってみたので、そのPCBEデータを公開しておきたいと思います。

市販品を買うか自作しようかお悩みの方はお試しあれ! CPLD/FPGA用のダウンロードケーブルは単なる信号の変換器ですから 部品の数も値段も安いですし(能動素子が不要)、別途専用の書き込みソフトが必要になっちゃう用なPICやAVRの一部の自作プログラマ と違い、純正のIDEから書き込みが可能です。

ByteBlasterMVにするか、ByteBlaster2にするか悩んだんですが、 おかもとシステムさんのAVRを使った書き込み器 のことを考慮すると当面AS(アクティブシリアル)モードでの書き込みは使わなくてみよさそうだし、 製作例などの情報がたくさんあって簡単に作れそうなByteBlasterMVを作ることにしました。

何の工夫もありません。Alteraの公式サイト で公開されている回路図をそのままPCBEで書いただけです。まぁ、特徴を強いてあげるとすれば、ジャンパー線が1本も無いってことでしょうか。 結構簡単に作れて、安価で、もちろん普通に使えます。

あ、使用するD-SUBコネクタはオスにだけ対応しています。片面基板なので表裏逆にしてD-SUBメスコネクタを取り付ける… みたいなことは出来ません。すみません。私が使っているパラレルケーブルに合わせたので…。 なので、25ピンのストレートケーブル(オス-メス)をご用意ください。

完成品やキットを買うよりも格段に安い値段で仕上がると思います。プリント基板を作る環境を既に持っている人であれば、 予算は1000円を大幅に下回ります。

材料

Altera公式サイトの回路図そのままなので、 あまり悩むことも無いと思いますが、強いていえばノイズ対策として74VHC244にパスコンを取り付けました。

部品型式個数補足
ポジ感光基板サンハヤト10K他のモノでも構いません
そもそも半分しか使いません
IC74VHC244SOP型(1.27mmピッチ)
秋月で5個100円(@20円)
抵抗100Ω13カーボン抵抗
抵抗2.2kΩカーボン抵抗
セラコン0.1uFセラコンでも積層セラコンでも可
D-SUBコネクタ25ピン オス基板取付Lタイプ
私は秋月で購入しました
10ピンコネクタ2×5=10ピン オスJTAG用10ピンオス
普通の2列のピンヘッダでも可

適宜、糸ハンダやネジなどが必要です。またプリントするためのOHPシートかトレーシングペーパーが必要です。 配線が細いので、多分OHPシートの方がよろしいでしょう。また、現像やエッチングのためのケミカルが必要です。

サンハヤトのカメレオンレジスト10Kなら2枚作れる程度のサイズなので、実質的な部品代は1個あたり500円もかからないでしょう。

今回は3ステートバッファに74VHC244を使いましたが、代わりに74LCX244や74LV244、74LVC244のような低電圧で高速動作のタイプを使った方がいいかも。 逆に74HC244だと低電圧時の動作がイマイチらしいので、いずれにしても低電圧で動作が速いタイプがよいかと思います。

どのタイプのICでも、各入力端子には100Ωの電流制限抵抗が繋がっているので5V・3.3Vの混合程度では 入力回路の保護ダイオードが破壊されることはなさそうですが、一応74VHC244や74LCX244のように低電圧動作時の5Vトレラントを 謳っているものが良さそうです。

PCBEデータ

byteblaster-MV (PCBE用データ)

クリックで別窓で開いて保存するか、右クリックで保存してください。

PCBEで開いて使ってください。 (クリックでVECTORのダウンロードサイトを開きます)

作り方

PCBEで上記の回路をOHPシートにプリントし、感光基板に焼き付けて基板を作ります。カメレオンレジストの10Kサイズ (75×100mm)の半分しか使ってないので、残り半分にはお好みのパターンを付け足していただいてかまいません。 っていうか、使わないと勿体無いのでなにか付け足して使ってください。

まず最初は、パターン面に表面実装の74VHC244を取り付けるのが良いかと思います。1.27mmピッチなので、 普通に足1本毎にハンダ付けしていけばよいかと思います。

写真の手前側が1番ピンです。(画像クリックで拡大図を表示)

ドリルで適当に穴を空けたら、部品を差し込んでハンダ付けします。

写真上、大きい方の抵抗が2.2kΩ、小さい方は100オームです。買い置き品がたまたまこのサイズだったのでこれらを使いましたが、 1/4Wでも1/6Wでも、お手元にあるもので適当に間に合わせればよいかと思います。

D-SUB25ピンのコネクタはオスだけ対応してます。メスコネクタには対応してません。10ピンJTAG端子は手前側が1番ピンです。 この写真ではボックスヘッダを使ってますが、普通の10ピンヘッダ(剥き出しのタイプ)でもokです。 その場合1番ピンが判るように印をつけておくといいと思います。

JTAG用のケーブルも簡単に自作できます。10芯のリボンケーブルを適当な長さ(せいぜい20cm以内でしょうか)に切って、 10ピンのヘッダソケット(2.54mmピッチ2列)2個に繋げば簡単に作れます。特別な工具も不要でしょう。ちょっと腕力が必要ですが…

この写真のJTAGケーブルも自作したモノです。リボンケーブル、 ヘッダソケットは両方とも千石で買ってきました。

使用上のご注意など

パターンがちょっと細いかもしれません。一番細い線には0.25mmを使っているんですが、私が作った際には 現像中に1箇所キズが付いたようでパターンが断線しかかっていました(エッチング後にハンダで上塗りしてごまかしました)。 もう少し太い線にしておいた方が良かったかもしれません。お好みで配線を太くしてください。

カメレオンレジスト用のパターンをプリントするという前提で描いたので、このままP板.COMとかに出してもうまくいかないと思います。 レジストパターンも無いし、パターン上の文字もホールのレイヤを使って書いてあるので。文字の部分が本当に穴になって返って来るか、 作れないよと怒られるか…。(もうちょっとPCBEの使い方を研究しておきましょうかね)

ByteblasterMV互換なので、JTAGモードでしか使えません。パッシブシリアル(PS)もアクティブシリアル(AS)も 使えません。ByteblasterMVからByteblaster2へはちょっとした回路の変更で済むっぽいので、 必要に応じて修正してみてください。

パターンの一部とD-SUBのネジ止め穴が一部近くなってます。で、ネジの角度によっては配線がショートしかねないので、 ショートしない角度で留めてください。もしくは、パターンを少しずらしても可です。

そんな感じなので、あまり出来のいい代物では有りませんね。とりあえず短時間でこのサイズに押し込めたのでOKとしました。 適宜修正して使ってください。

自宅で簡単に作れて普通に動くし、安く仕上がるので、「ALTERAはあまり…」って思っていた方々がALTERAに 手をだすきっかけにでもなってくれればと願ってます。(私がどっちかというとALTERAの方が好きなので…)